【開催レポート】料理の付加価値を高める伝統の器 『角萬漆器』堆錦(ついきん)体験

2024年1月10日

食事を盛り付ける器や皿は、料理人にとってのキャンバスだと言われます。
料理は芸術のひとつ。
沖縄が誇る伝統工芸『漆器』の技を、自身の手で学び、その価値と魅力の理解を深めること、またこの体験を通して得た知見が、新たな沖縄食体験の価値創造につながることを目指してワークショップを開催しました。

今回は、堆錦(ついきん)体験です。

※堆錦とは

あまり耳慣れない言葉ですが、漆に顔料を混ぜて練られた「堆錦餅(ついきんもち)」と呼ばれる材料を薄く延ばし、文様の形に切り抜き、貼り付ける技法です。

器を華やかにするその技法は、他の技法に比べて、表現力が高く、絵のような文様を漆器に施すという点に優れているそう。

角萬漆器さんに到着

今日のワークショップ開催地、首里城にほど近い角萬漆器さんに到着。
120余年前に創業し、今も連綿と受け継がれている老舗でありながらも現代的な雰囲気。
老舗とは、創業当時から現在まで、考え方は常に新しく、そして進化をしていないと長くは続かないと言われます。琉球漆器、約600年前の歴史と伝統を伝えている角萬漆器さんもそのひとつであることを感じます。
戦後の混乱期など幾多の試練を乗り越えた角萬漆器さんの歴史に興味のある方は、ぜひ尋ねてみて下さい。

カフェを併設した店舗にリニューアルした、六代目の嘉手納豪社長からご挨拶。
カフェは、琉球漆器で実際に食べることを体験できる、貴重な場ですね。

ワークショップの開始

職人さんから説明を受けながら、堆錦(ついきん)を学ぶワークショップ開始です。

説明を聞いたところで、それぞれ漆器に入れる文様を決めていきます。

この方は、何の模様を入れるのでしょうか?なにやら携帯で一生懸命確認している様子。
写し紙に書いていきます。

その後、堆錦餅(ついきんもち)へ、絵を写していきます。

今度は堆錦餅(ついきんもち)から絵を切り抜きます。『曲線の切り抜きが難しいです』と声があがります。

この女性は鳥の文様にされたようです。上手に切り抜けました。
ヘラで移していきます。

グレーの上に黄色を乗せて、鳥ができました。お上手!

器に自分オリジナルの模様を貼り付けていきます。

先程、携帯を参考にしながら頑張っていた男性の作品は、どうやら有名なアニメのキャラクターのようです!お子さんへのプレゼントでしょうか。
キャラクターのほっぺの赤は、器の色をそのまま活かしています。
かわいらしくできました。

皆さん、黙々と作業が続きます。真剣。

鳥やアニメキャラクターのほかにも、カニ、花など、それぞれの文様がついに出来上がりです!

絶景の「CAFE角萬」にてカフェタイム

堆錦(ついきん)体験を終えたところで、店舗の中に併設された「CAFE角萬」にてお茶タイム。

 

ここは、琉球漆器を実際に使ってみることのできる貴重な場所です。生活の場に取り入れた時を想像しながら体験をしました。

角萬漆器さんの店内にあるCAFE角萬は、絶景なのです。
那覇を一望する景色をながめながら、琉球漆器でお茶を頂くという贅沢な時間です。

本日のお茶とお菓子のご紹介。
お茶は、金川製茶さんの紅茶です。1956年沖縄県名護市の金川銅山跡地にて茶畑を始めた農家さんの茶葉で、資産量は少ないですが、全国的にも良い評価をされているお茶とともに、ノボテル沖縄那覇のショコラテリーヌと見た目も可愛らしいちんすこうを楽しみました。

カフェのみの利用もできるので、首里の坂道を散歩する際、CAFE角萬で一息ついてみるのもおすすめです。

皆様、お疲れさまでした!