【開催レポート:日帰りモニターツアー】沖縄の生産農家と伝統工芸の粋を味わう美食体験ツアー

2023年12月8日

2023年12月8日に沖縄の生産農家と伝統工芸の粋を味わう美食体験ツアーを行いました。

沖縄県庁前に集合

メディア、旅行会社、料理人たちが朝早く沖縄県庁前に集合しました。

糸満市の岸本ファームさんへハーブ園見学

沖縄素材の魅力を深堀りしようと、一路、糸満市の岸本ファームさんへハーブ園見学です。

今から32年前、1991年から無農薬で安心安全、多品種のハーブを作り始めたハーブ農家岸本ファームさんからお話をうかがう。

案内していただいていると『食べてみて下さい』と手渡された。そうか、無農薬だから安全なんだ!と、味見。

 

日本ではあまり見かけないハーブや沖縄在来のハーブも多数。

 

長命草(さくな)、ハンダマ、雲南百薬(うんなんひゃくやく_おかわかめ)、コブミカン、つるむさき、ローズマリー、ホーリーバジル、アフリカンバジル、タイバジル、パンダンリーフ、スィートメキシカン、スィートマジョラム、マイルドマジョラム、ミントマリーゴールド、バタフライピー、ハママーチ、ゼラニウム、ローゼル、ペパーミント、アップルミント、ナスタチューム、セッコツソウ、レモングラス、カレーリーフ、、

 

50種類ほどあるそうで、中にはとても甘く、お子さんが喜んで食べるという初めて接するハーブもあり、自分好みのハーブをみつけると嬉しくて新鮮でした。

 

沖縄では、岸本ファームさんでも育てている、香りの強い長命草(さくな)や色の奇麗なハンダマなどを、くすいもん(薬もの)といい、身体によいとして食べる生活習慣がある。つまり沖縄ではハーブが昔から生活に根付いている事を改めて認識。

今回同行した料理人たちは、『こんな味がするんだ、これは〇〇に入れて料理すると面白いかも』とつぶやいていました。なにか新しい発見があったようです。

最後に、レモングラスとローゼルとアップルミントにその場でお湯を入れたお茶と、お茶請けとして、ローゼルの塩漬けを出していただきました。

ローゼルの塩漬けは本土では見たことがなく、さっぱりとして、しば漬けのようでした。

美味!

南城市のジョンさんのチーズファクトリーへ

続いて南城市のジョンさんのチーズファクトリーへ。

12月のはじめということで、『半分だけクリスマスね』と赤い服で登場したおちゃめなジョンさんは、1976年にイギリスから日本へ移住。

日本はすぐに大好きになったけれど、唯一、チーズが恋しかった。

自分が納得するチーズがないならば、そうだ、自分で作ろう!と始まったチーズ作り。

100頭以上の牛を育て、ミルクを絞り、チーズを作って、販売までを一貫して行っている。

『牛のお母さんにストレスがかかるとミルクも美味しくなくなる。

だからお母さんがのびのびしていることは大切なことです』とジョンさん。

沖縄ハーブを練りこんだ、ここにしかないチーズが多数。

柑橘類を主原料とした琉球銘菓きっぱんと合わせて食べるチーズの提案など、初めて体験するチーズもあり新鮮。

海外からきたジョンさんだからこそ見えているもの、こだわりに触れました。

ラ・メゾンクレール1853さんで昼食

那覇に移動し、ラ・メゾンクレール1853にて小林光栄シェフによる沖縄を感じる昼食。

 

午前中に目にしたばかりの岸本ファームさんのハーブや、ジョンさんのチーズを使用したお料理を目の前に、生産者と料理人とのコラボレーションの素晴らしさを改めて感じ、ライブ感を堪能しました。また、この日は、沖縄伝統の琉球漆器をお皿としてお出しくださり、沖縄で作られた食材、お皿にいたるまで、フレンチという枠を超えて沖縄を表現してくださいました。


食させてもらい、循環していく楽しさ、循環サイクルの一部に、自分自身が関われることに喜びを感じる昼食でした。

角萬漆器さんの琉球漆器ショップ見学へ

お腹も満たされ、首里の角萬漆器さんの琉球漆器ショップ見学へ。首里城のある土地へ、高台へ上がっていく過程も楽しい。
6代目嘉手納 豪さんにお話をうかがう。

 

琉球漆器の赤は、本土の漆器より色が明るい。赤というより朱に近い。
なぜ、明るいのか?それには琉球の歴史が深く関わっています。

 

琉球の歴史文化と切っても切り離せないのが、中国からの冊封使。
進貢と貿易のため、数ヶ月間、何百という冊封使が滞在していました。
琉球王国では、彼らの好みを学ぶために、琉球から包丁人(料理人)が明、清に足を運び、嗜好や料理の勉強をする。当然、料理を盛る器もその影響を受けました。

 

故に、琉球漆器は、彼らの好みの色と言われる「朱色」、本土の赤い漆器より明るい色となり、山水など、彼らの好みの文様も多いとか。

 

その後、江戸幕府時代、琉球王国は薩摩の侵攻を受け、今度は薩摩藩の滞在のための、もてなしを学ぶこととなり、琉球漆器は、本土好みの黒に金模様の漆器が作られるようになる。
このようにして、琉球漆器は、中国と日本本土の影響を受けながら、独自に発展してきました。

 

そして2023年の今、時代に寄り添い、PLATEという現代生活にあった漆器を販売開始。話題を呼び、このシリーズの赤は現在品切れ、鋭意制作中とのことです。

 

『私達は琉球漆器、つまりは琉球の歴史と文化を売っている』という6代目の言葉が印象的でした。

瑞泉酒造さんの泡盛酒造見学と試飲

ツアーの最後は、首里城近くの瑞泉酒造さんで泡盛酒造見学と試飲です。

 

まずは、映像と写真で泡盛の歴史について学びます。

 

瑞泉は、首里城の敷地内に「瑞泉」という泉があり、そこから命名されたそうです。
ここ瑞泉は、先の戦争で泡盛菌は壊滅状態になりますが、東京大学発酵学教授の故・坂口さんが研究のために1935年ごろ本土に持ち帰っていることが判明し、かつての泡盛が復活したという感動と奇跡のお話が聞けました。

歴史を理解したところで、試飲。
自分好みの泡盛を見つけたら、午前中にジョンさんから提案を受けた「琉球銘菓きっぱんを乗せたジョンさんのチーズ」と泡盛のマリアージュを楽しみました。

 

そして6代目社長 佐久本 学さんにお話をうかがう。
業界では、若い人たちの泡盛離れの話が出て久しい。
泡盛離れ解消に対して、参考になるのは、コーヒー。牛乳とお砂糖がたくさん入ったコーヒー牛乳から始まって、徐々にブラックコーヒーが飲めるようになっていくのと同じよう、強いお酒である泡盛だからこそ、リキュールやスパークリングを用意して、徐々にのぼれる階段を作っていく事に挑戦していらっしゃいました。

 

 

ツアーに参加の皆さま、そしてご協力いただきました皆さまありがとうございました!