【1泊モニターツアーレポート】素材の価値を見直し、テロワールを味わう沖縄旅へ

2025年2月26日~27日

沖縄には、ここにしかない美味しさがたくさんあります。
亜熱帯の強い紫外線とミネラルいっぱいの土が育む野菜や果物。
おおらかな自然の中でたっぷりの愛情を受けて育つ畜産動物。
四方を囲む海からは、新鮮な海の幸が一年中豊富に楽しめます。
小さいながらも島々で育まれる食の恵みは実に多彩で、知るほどに奥深い。

このツアーは、昔から親しまれてきた島の宝に今一度目を向け、生産者と料理人を訪ね、クリエイティビティあふれる素材や料理を通して、沖縄のテロワールを体験するために企画されました。

沖縄のテロワール体験へ、いざ、出発!

今回は観光事業者の方々に参加いただきました。県庁前に集合。

まずは琉球王朝時代に食されていた貴重な沖縄在来豚「今帰仁アグー」の食体験

「今帰仁アグー料理一式 長堂屋 今帰仁本店」へ到着。

貴重な沖縄在来豚「今帰仁アグー」を使ったしゃぶしゃぶと焼肉を提供するオーナーの長堂俊春さん

「今帰仁アグー」とは、琉球在来種の遺伝子をかたくなに守り続けている唯一の豚であり、沖縄の生活と共に歩んできた小さくて黒い豚です。

戦後、沖縄が発展していく中、経済効率を考えた大きく良く育つ西洋の白い豚が一般的となりました。

つまり、現在に食されている豚よりも、小さく、飼育するには手間もコストもかかるのが「今帰仁アグー」です。

琉球時代からこの土地で生きてきた人々の生活文化、食文化を守ることにもつながると、この今帰仁アグーを育てる活動をしているのが農業生産法人 有限会社今帰仁アグー/代表 髙田勝さん。

髙田さんについての詳しいお話はこちらをご覧下さい。

「今帰仁アグー」は旨味成分のグルタミン酸を始め、多くのアミノ酸が一般豚の数倍以上含まれており、しゃぶしゃぶや焼肉に向いています。

 

色鮮やかな今帰仁アグーと沖縄県産野菜に、各テーブルで感嘆の声が飛び交いました。
前菜(写真手前)のジーマーミ豆腐を始め、漬けダレ、シークヮーサーの薬味に至るまで手作りです。

一般的な豚と比べてコレステロールが少なく、脂の融点が低いことから甘みを感じ、柔らかい。

『灰汁(アク)も少なく、さっぱりとした豚しゃぶで、いくらでも食べられそうですね』と参加者さんからの感想。

料理長 長堂弘武さん

最後に、ヤギミルクのアイス。
これから向かう「玉城畜産~やんばる牧場」の試作品。
ヤギ肉特有の香りを抑え旨味を引き出したブランドヤギ「美らヤギ」を育てる牧場へ向かいます。

「玉城畜産~やんばる牧場」へ到着

玉城畜産を経営する玉城さんは、県畜産試験場に長年勤めて得たノウハウを活かし、くせのないヤギ肉を生みだすことで今帰仁産ヤギのブランド化に役立てればという思いで活動を始めました。

最初に牧場入口に掲げられた看板にかかれた「大型・多産系統山羊研究会」「地道にコツコツと!」とご自身が目指す姿を語られました。

小屋が清潔で動物特有の香りがしないことから「お風呂に入れているのですか?」という質問が参加者さんから飛び出しました。

「お風呂に入れていません。」と玉城さんの回答。

一方、お父さんヤギへ近づくと、少しだけヤギ特有の香りがしてきます。
なぜ、お父さん以外のヤギは香りがしないの?など、詳しい紹介記事はこちらで確認できます。

ヤギ肉は独特の臭みがあることから苦手な方も多く、沖縄の大切な食文化のひとつであるヤギ肉離れが進んでいるとも言われています。
玉城さんの育てるヤギのお肉は臭みのないことが特徴であり、夕食での実食が楽しみです。

続いて、オーガニックにこだわったハイビスカスと月桃を自社農園にて栽培し、肌にも地球にも優しいナチュラルコスメづくりを行っている「YUMEJIN」へ

清々しい空気と洗練された空間が広がる本社・工場。併設するファクトリーショップ。
「美ら海水族館」から車で約7分、世界遺産「今帰仁城跡」から車で3分の場所に位置します。
着いた瞬間、「素敵なところですね」と参加者さんからの声があがります。

 

ゆめじん有限会社 代表取締役 諸喜田 栄(しょきたさかえ)さん

「今帰仁で夢をかなえる」という意味を込めたYUMEJINブランド。

琉球王朝時代から、月桃は殺菌・消毒作用として、ハイビスカスは保湿作用として活用されてきました。

月桃の葉は、殺菌作用があることから食品を包むなど、今でも暮らしの中で活用されています。
また粘りのあるハイビスカスの葉には優れた保湿成分があるため、洗髪に使われていたそうです。

諸喜田さんのおばあ様は、ハイビスカスの葉で普段から頭皮ケアをしており、また戦争中、防空壕の中での生活を余儀なくされていた際も、女性たちは自生するハイビスカスと月桃を使用して衛生面を確保していたという心に残るお話もしてくださいました。

そこに先代が着目し、植物が持つ機能や成分を研究開発し、事業をスタート。

「愛する家族が安心して使える製品づくり」をモットーに、農薬や化学肥料を一切使わない、より良い製品をつくるための畑づくりから始まりました。

自社農園は「有機JAS認定」を取得。

畑づくりから、栽培、開発、製品づくり、販売まで一貫して行っております。

沖縄本島のやんばる地域、今帰仁村で、有機栽培に向き合いながら本当に良いものだけを丁寧につくって、創業当時からの想いをいつまでも大切に守り続けていきたいとお話しいただきました。

ゆめじん有限会社 営業部部長 山入端 隆(やまのはたかし)さん

月桃を使った化粧品は、今では認知されてきていますが、先駆者はYUMEJIN。山入端さんは、前職のホテルでYUMEJINのアメニティを取り入れ、当時、自社ホテルに合わせた商品開発を一緒にされていました。

 

山入端さんのおすすめは、YUMEJINのハイビスカス黒糖ボディソープ。保湿とともに肌のキメを整える成分が含まれており、普段の手洗いからお風呂での使用に至るまで、お孫さんも愛用しているそうです。

スキンケア用品の原料となるハイビスカスと月桃の広大な畑。植物の力と優しさを届けることが使命。

今日はワークショップとして、ハイビスカスが元となる保湿製品作りを体験します。
まずはハイビスカスの葉摘み体験。
コスメとして使用するのは、ハイビスカスの花ではなく、「葉」を使用するのですね。

摘んだ葉は無農薬ですが、3度ほど繰り返し洗い、刻んでいきます。

刻んだら、お湯で揉みだしていきます。

すると粘りのある液が出てきます。これがハイビスカスの葉の保湿の源。
手につけると、スーッとなじんでいくのが分かります。

場所を変え、月桃の葉を蒸して蒸留水を抽出を抽出している作業を見学。

8トンの葉から6リットルしか取れない貴重な精油。

実際に香りをかがせていただきます。1回目の抽出と2回目の抽出では、かなり香りが異なり、1回目は鼻にツンと刺激が走ります。

 

この月桃の葉から精油を抽出する際に副産物として採れる「月桃蒸留水」は、エッセンシャルウォーターとして販売。シュッとひと吹きすると、月桃の甘い香りが漂い、肌の保湿にもよいですが、心も整う感覚です。

 

今日のワークショップではこのエッセンシャルウォーターをプレゼントとして頂きました。

 

ここからはゆんたくタイム。

コスメにはハイビスカスの「葉」のみを使用していますが、花はこのようにお茶として活用したり、

「おひたし」で食べることもできます。(写真左下)
おひたしは皆さん初体験で、おつまみ感覚で夜の晩酌にしたいという声もあり好評でした。
殺菌作用のある月桃の葉は、沖縄の皆さんには馴染み深い、ムーチー(餅)を包んでいます。(写真上)
写真手前は、沖縄の蒸しパン・アラガサー。

どのようにしたら、沖縄の魅力を伝えることができるのか、YUMEJINさんの製品を理解したところで参加者の皆さんと共に意見交換が行われました。

続いては、EFFE(エッフェ)で美らヤギほか、県産食材の魅力を引き出した ディナーを体験

オーナーシェフ山﨑裕由さん

今晩は、沖縄食材をふんだんに使い、イタリアと沖縄の調和をお楽しみいただきたいとご挨拶がありました。

店内に入り席につくと、あえて常温でおかれた沖縄ティーファクトリーさんの琉球紅茶がならんでいます。タンニンがあることからワインのようにマリアージュができる紅茶はノンアルコール需要に最適。この紅茶をスターターとして、お料理が始まります。

 

全10皿。ここではいくつかピックアップしてご紹介です。

本マグロのカルパッチョ、水牛乳モッツァレッラ、カニステル、レモンの泡でスタート

意外と県外では知られていない沖縄の生マグロ。沖縄で水揚げされるマグロは生鮮マグロと言われ、一度も冷凍されることなく生のまま陸に運ばれてきます。

漁場から陸までが近く、他府県に比べ鮮度が高いのが特徴です。

車海老と帆立貝のスコッタート、赤パプリカとうま藻のソース、島バナナの花

沖縄は実は車海老の養殖生産量が日本一。1971年からスタートし、海洋深層水を活用するなどして美味しさ、生産量ともにトップクラスを維持しています。
また、バナナの花が食べられるということもあまり他府県で知られていないかもしれません。 

奄美島鶏のロートロ、島南瓜のパッサータ、カジジェー青パパイヤ

この奄美島鶏は、奄美の郷土料理「鶏飯」に使われたとされる平集落のテーリャドゥリ(たいらどり)です。

長堂屋さんでいただいた今帰仁アグー豚を育てている髙田さんがこの鶏も育てました。
奄美在来種であるテーリャドゥリが数羽飼育するのみとなっている事実を知り、沖縄に迎え、絶滅の危機から復活作業をした鶏です。

昔ながらの食文化が途絶えることなく、奄美で古来から食べられてきた島鶏で鶏飯が食べられる日を願って、奄美島鶏・テーリャドゥリを増やし、鶏に商標を付けて、先日、髙田さんが奄美に帰郷させました。

奄美もかつては琉球王国に属していたこともあり、伝統的な食文化を残していく事についても考えさせられる一皿でした。

美らヤギ ロース肉ロースト、モモ肉カルネクルーダ、コントルニ

いよいよ、本日見学をした玉城畜産の「美らヤギ」。前評判通り、全く臭みもなくヤギ肉であることを忘れる一皿でした。

食材探求に貪欲に挑む山﨑さんならではの圧巻の全10皿、県産食材の魅力を引き出した至福のイタリアンでした。

1皿目 本マグロのカルパッチョ、水牛乳モッツァレッラ、カニステル、レモンの泡
2皿目 車海老と帆立貝のスコッタート、赤パプリカとうま藻のソース、島バナナの花
3皿目 奄美島鶏のロートロ、島南瓜のパッサータ、カジジェー青パパイヤ
4皿目 カルナローリ米のリゾット、奄美島鶏のラグー、ペコリーノロマーノ
5皿目 タイクチマチのサルタ―ト、津堅人参のソース、黒キャベツ、うま藻
6皿目 金武町産田芋のニョッキ、イタリア産黒トリュフ、ピアーヴェチーズのクレーマ
7皿目 美らヤギ ロース肉ロースト、モモ肉カルネクルーダ、コントルニ
8皿目 伊江島ジーマーミ豆腐、レモングラス、バタフライピー
9皿目 屋我地島はちみつとビーポーレンのティラミスー、琉球紅茶、フルーツパパイヤ
10皿目 エスプレッソ、コーヒーまたは琉球紅茶と小菓子

2日目は「沖縄うるま船団丸」うるま市勝連地域の「海のもずく畑」からスタート

日本一の生産量を誇る、うるま市勝連地域のもずく。

なかでも「沖縄うるま船団丸」のもずくは、採れたての「極早生もずく」を商品化。3月〜4月の間だけ採れる出てきたばかりの新芽のみの希少なもの。

 

通常販売されているもずくは、塩に漬けこんで保存し、塩抜きをして販売をしていますが、塩蔵することなく海水からそのままパック保存し、新芽を全国へ送り届けています。

沖縄うるま船団長 漁師 東卓弥さん

芽はちいさなうちは自分の身を守るため、たくさんのヌメリを出すため、つかみにくく、長さも短いことから採取するのも一苦労。

しかし「早摘みもずく」は一口食べただけで、いままで食べたもずくの概念が変わる程の食感と味わいを持っているため、苦労してでも多くの人に味わってもらいたいと語っていました。

SENDANMARU代表 坪内知佳さん

「沖縄うるま船団丸」は、漁師自身が自分たちで販路開拓の営業活動を行い、値を決め、漁から梱包作業、発送までを行い、沖縄県内外の全国のお客様へ届けています。

もずく漁の活性化、再生を求めていた東さんは、ドラマ「ファーストペンギン!」を観て、そのモデルとなった坪内知佳さんの門戸を粘り強く叩き、この活動を始めて1年がたちました。

この辺りの詳細は
こちらの記事で確認いただけます。

海の中のもずく畑を図解。

海中の畑が見えるでしょうか?手前に広がる、黒い棚です。

もずく漁に適した形に自分たちで手縫いして作る、もずく漁用のミーカガン(水中メガネ)。

水中メガネの両サイドに長細いタイヤが縫い付けられています。海中で何かあった際に、60キロの重りを身体から外して海上に上がってくるための、最後の一息用の酸素。先代から譲り受けた大切な宝物。

常に危険と隣り合わせであることも実感しました。

若い人がもずく漁師になりたいと目を輝かせて参入してくる世界を作っていかなければ、産業自体がなくなってしまうのではないかと危機感を感じている東さん。

そのためには今までのやり方から変化しなければなりません。これまで水揚げしたら終わりであったはずの仕事が、商品開発、営業活動から、梱包、発送まで一気通貫で行って約1年が経過し、今までのもずく漁の仕事の違いに耐え兼ね、ここを去ったメンバーは一人二人ではないそう。

「決して楽ではないですが、船団丸を通じて知り合い、自分達よりも少し先を行って成果を出している全国の漁師仲間の姿をみて勇気をもらいました。
これからの若者たちがもずく漁をやりたいと心から思え、事業継承ができるように、自分たちのためはもちろん、もずく漁のため、沖縄のために、やりがいをもって今活動しています」と語って下さいました。

お話の後は、恩納村Bon Côtéのオーナーシェフ角谷健さんからのもずくを使った逸品がふるまわれました。

早摘みもずくと完熟もずくの両方が使われています。

○温製(写真手前)
完熟もずくとスープドポワソン
南フランスコート・ダジュールの郷土料理(魚の全てとフェンネル、トマト等の香味野菜を炒め、ハーブ、水を加えて煮込んだスープ)


○冷製(写真右上)
パッションフルーツの果肉を取った器に
白米、小麦の粒、紫とうもろこし、そこに黒糖酢を合わせた黒糖酢飯
その上に、ハーブティーで湯引きしたイラブチャーカルパッチョをのせた
早摘みもずくのモーイ豆腐、パッションフルーツソース添え


○もずくクラッカー(写真左上)
もずくをペーストにし、珊瑚の形に焼き上げたクラッカー

今まで経験したことのないアレンジされたもずく料理に、満面の笑み。

住宅街の一軒家フレンチ「レストランB.B.R」で県産食材を堪能

住宅街にたたずむ緑に囲まれた一軒家のフレンチレストラン。雰囲気のある佇まい。

本場フランスや県内でフランス料理の腕を磨き、故郷のうるま市でお店を営む、オーナーシェフ瑞慶覧篤(ずけらんあつし)さん 

瑞慶覧さんは、地元食材を積極的に取り入れる活動をされているシェフのおひとり。

例えば畳に使われるイグサは、和室が減少しているため需要が低下してきています。そこで、イグサ生産農家を支えるべく食材としての利活用を取り入れるなど(うるま市はイグサ(ビーグ)の生産地)、料理人の立場から県産文化を残す活動を積極的に行っています。

1皿目 季節の野菜がたっぷりのオードブルバリエとあえて常温で提供する琉球紅茶とのマリアージュから始まりました。
彩りもよく、沖縄で作られた紅茶ともベストマッチ。

2皿目 じゃがいも、セーイカ、カンダバーのリゾット

県外ではあまりなじみのない野菜カンダバー。

あまりクセのない美味しいツル状の野菜で、沖縄ではカンダバージューシー(雑炊)などに使われる県産野菜です。県外出身の参加者さんから「初めて食べた。食感がいいですね。」との声。

3皿目 採れたてもずく入り魚のスープ

4皿目 地元、勝連南原漁港で採れたいまいゆ(魚)、島らっきょうソース

やはり地のものが一番。うるまの地元食材が続きます。

5皿目 県産皮付き豚スネ肉の煮込み

ホロホロと柔らかく煮込んだスネ肉は絶品で、サクサクとする県産紅山芋との相性も抜群。
紅山芋は紫山芋とも呼ばれ、沖縄に昔からある野菜で、沖縄・鹿児島以外ではあまり流通していない希少な山芋。ポリフェノールの一種アントシアニンが豊富にが含まれており鮮やかな紫色で、栄養価の高い健康野菜だそうです。

6皿目 スペシャルデザート盛り

彩り豊かな前菜から始まり、最後のスペシャルデザートも彩り豊かに締めくくられ、ふた皿とも「一つ一つが食べていて楽しい」と声があがりました。

食後のお茶の選択肢に、地元うるまの「宿&喫茶アガリメージョー」さんが開発した「小麦珈琲」がありました。(コーヒー豆を使わず、ノンカフェインで妊婦やお子さんでも飲める小麦を焙煎した(ばいせん)穀物コーヒー)
地元を愛し、みんなで支え合って活動している瑞慶覧さんらしいサービスでした。

B.B.Rでは、優しい瑞慶覧さんのお人柄そのものが表現されたお料理で「散々食べて飲んだ2日間の最後の食事であったにも関わらず、胃に優しく、すっと食べていられる優しいお料理でした」と参加さんからのお話が印象的でした。

県内初のシークヮーサーワイン「OCCIサイダリー」さんへ

太陽や海を連想させ、爽やかな色合いで目を引く「OCCI(オッチ)サイダリー」はシークヮーサーから生まれた沖縄の新しいローカルワイン。

ビールや泡盛ではない、爽やかに飲めるフルーツ微発泡ワインが沖縄に誕生しました。

オッチサイダリー株式会社 代表/チーフブリュワー笹尾奈美さん

笹尾さんは、前職の洋菓子製造販売会社の開発チームで、シークヮーサー果汁を発酵させてお酒をつくる開発プロジェクトに携わっていました。
当時、沖縄県全体でシークヮーサー果汁が余っており、年間何百トンもシークヮーサーを廃棄していたといいます。

シークヮーサーの畑を守ることは、森の持続可能性にも好影響を与え、また赤土流出を防ぐなど防災にも役立ちます。
「青森などにあるリンゴで作ったシードルのようなお酒をシークヮーサー果汁で作れないだろうか?」
当時の社長の発案で取り組んでいたプロジェクトでしたが、やがて笹尾さんは退職。その中で新型コロナウイルスによるパンデミックが起こりました。

コロナ禍中、世の中がウィルスのこもらないアウトドア志向になっていった頃、笹尾さんも友人とビーチで会い、海に癒されていたそう。

気持ちが沈みがちな時期、少しでも気分が明るくなるような、太陽の下で爽やかに飲めるお酒はないかなぁと考えていたところ、友人からの「沖縄にはローカルスパークリングはないの?」という一言でかつて携わっていたプロジェクトを思い出します。
「あのシークヮーサーのお酒はどうなったのか?」と連絡を取ると、コロナで中断しているとのこと。

「もし大事に思ってくれるなら、笹尾さんが引き継いでくれないか?」という先方からの打診に、独立して引き継ぐことを決意、シークヮーサーのフルーツワイン「Occi(オッチ)」の誕生です。

開発までに3年かかり、2023年に完成。

現在は、沖縄市中央のパークアベニューの醸造所にて、Occiを製造し、多数のホテルや飲食店、スーベニアショップで扱われ『沖縄県優良県産品』としても推奨されています。

この日は、ピンチョススタイルでOcciを楽しませてもらいましたが、飲み切りサイズも開発されましたので、Occiを片手に、ビーチ、ピクニックなどの太陽の下で、ぜひ気軽に飲んで、沖縄の空を堪能してもらいたいとお話しされていました。

モニターツアーを終えて

今回のツアーでは、昔から親しまれてきた島の宝に今一度目を向け、生産者と料理人を訪ね、クリエイティビティあふれる素材や料理を通して、沖縄のテロワールを観光事業者の方々を中心に体験していただきました。

今後、沖縄の「食」「文化」に魅力を感じて来沖していただける一助となりますように。

2日間にわたり、皆様お疲れさまでした。