【開催レポート】新たなブランド創造に挑む生産現場ツアー『あやはし牛 牛舎見学』

2024年1月16日

経産牛ブランド『あやはし牛』の「命を最後までいただく」という思いを背景にブランド化へ挑戦する生産農家さんの取り組みをうかがいました。


お話をうかがったあとは、しっかりとして濃厚な味わいの「あやはし牛」を堪能するツアー。
この体験を通して、新たな沖縄食体験の価値創造につながることを目指して実施されました。

皆さんは経産牛(けいさんぎゅう)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?


書いて字のごとく、「出産を経験したお母さん牛」のこと。繁殖を目的とする生産の世界では、出産を経験した牛は「廃用牛」と呼ばれ、一般的には廃棄するか、ペットフードなどの加工肉となります。

今回は、この経産牛を再度、飼育しなおし、「命を最後までいただく」という思いを背景にブランド化へ挑戦している彩橋フーズ株式会社の代表 根保操(ねほ みさお)さんに牛舎を見せていただきながら、お話をうかがいました。

彩橋フーズ株式会社の代表 根保操(ねほ みさお)さん

まずは牛舎見学からスタート!

現在、アニマルウェルフェアを目指して牛舎環境を整えている最中でした。
アニマルウェルフェアとは、家畜をいかにストレスの少ない状態にできるかに重点を置く飼育方法。
根保さんも以前は繁殖を目的とする牛の生産農家で働いていたそうです。
繁殖目的の場合、エサは草のみ。
根保さんのところでは、エサも完全沖縄県内の循環型にシフト。
以前は海外のとうもろこし等を与えていましたが、県内産にシフトできるように琉球大学の教授にアドバイスもお願いしたそうです。

結果、現在のエサは草はもちろん、全て県内の企業から出る副産物でまかなっています。
虫食いにあって商品にならないお米や、砕米(さいまい)、小麦粉、豆腐からでるオカラを乳酸発酵させたものなど。

こちらはビールをしぼった後の県産麦芽を、乳酸発酵させたビール粕。
与えるエサは、全て県内の企業との連携での循環型。しかも、より大きくするためのものや、赤ちゃんをできやすくするためのビタミン剤、抗生剤のモネンシン(肥育牛には主に食欲増進剤として使用されています。もちろんあやはし牛には、上記一切使用してされていない。)等を一切与えず飼育しています。
繁殖用のお母さん牛としては「繁殖不適」となった牛が常時おり、500〜600kgになるまでゆっくりと育てられるそうです。

 

今日は、2歳〜18歳の牛がいました。牛の出産は1年に1回、人間とほぼ一緒だそうです。
牛と言えば、霜降りの高級肉!というイメージですが、最近では嗜好の変化なのか、赤身肉の人気が出てきており、価格が上がってきています。経産牛のチャンスとも言えますね。
ただ、経産牛と言えども、出産経験1回でまだ若い牛でサシが入ったものや、真っ赤な赤肉のものまで様々だそうです。

いよいよ「あやはし牛」を体験!

実際に経験してみましょうということで、ご自身で育てたあやはし牛を提供するあやはし牛専門肉料理店へ移動です。

根保さんは、自身で育てたあやはし牛を実際に食してもらいたいと牛専門肉料理店も営んでおり、経産牛のおいしさを伝えています。

店内でお肉を熟成中。

20日間ほど熟成された経産牛「あやはし牛」で作ったハンバーグ。
お肉本来の味が分かるようにと、あえてつなぎは入れず、ミンチのハンバーグなのにステーキを食べているかのような深みがあります。

見てください、この綺麗なお肉。
適度な霜降りで脂っこくなく、濃厚な味と香りのあるお肉でした。

「命をありがとう、いただきます。」と思えた一日

飼育から精肉販売まで、沖縄県産の黒毛和牛の経産牛を「あやはし牛」としてブランド化に挑戦している姿を目の当たりにしました。
エサにこだわり、優しい想いでゆったりと育てられた牛は、人間にも優しいお肉に違いない。育っている過程からみせていただき、「命をありがとう。いただきます。」と心から思えた一日でした。